今後のドラクエシリーズ、今後のドラクエ10の音楽は?
すぎやま先生は、ドラクエシリーズのために500曲以上もの曲を書き続けてこられ、遺作もドラクエ12の楽曲であることが、スクエニより発表されています。
まさにドラクエシリーズになくてはならない存在だったわけです。
そんな偉大な作曲家を失ってしまいましたが、ドラクエシリーズも、ドラクエ10も、今後まだまだ続いていくはずです。それではその音楽はどうなるのでしょうか。
まず、ドラクエ10を除くシリーズ全体についてですが、ドラクエ12の音楽を最後に手掛けられていたことは発表されたものの、作品に必要な音楽すべてを仕上げておられたかどうかは、今のところわかりません。今後シーンの追加などで、さらに曲が必要となる可能性もあるわけです。
そうなったときにどうするか…
おそらくドラクエ12に関しては、過去作からの音楽の流用でも乗り切れるとは思っています。
問題はドラクエ13以降です。過去作の流用だけではさすがに無理がありますから、FFシリーズのように、別の作曲家が引き継ぐことも考えられますし、シリーズを今後も続けていくなら、そうするしかない気もします。
実は、すぎやま先生以外がドラクエシリーズの楽曲を手掛けるということを、過去に一度だけ試みられたことはあったのです。それはWiiで2007年に発売されたゲーム「ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔」で、音楽を手掛けられたのは、ファミコンで「ロックマン」の音楽を担当された松前真奈美さんでした。すぎやま先生から直接のオファーだったそうです。
ところが、その試みはその一度だけで終わり、その後のドラクエシリーズの音楽も、引き続きすぎやま先生が担当されてきました。
Wikipediaの記事によれば、すぎやま先生は作曲にあたり、実際にゲームのテストプレイなどもされていたそうですが、この作品はWiiリモコンを振るタイプの操作であり、それでは当時70代だったすぎやま先生の体力的負担が大きいことから、別の作曲家を起用することになったのだそうです。
わたしは当時Wiiを持っていなかったので、このゲームはプレイしたこともありませんが、YouTubeで「ドラゴンクエストソード」の映像を探し、音楽を少し聴いてみました。当然の話ながら、すぎやま先生の曲調とは全く異なるものの、それぞれのシチュエーションに合った曲として全然悪くないとは感じました。
今後誰かが作曲を引き継ぐにしても、すぎやま先生の作風を強く意識しすぎると、絶対に長続きしないとわたしは思っています。
ちょっと分野は異なりますが、ドラえもんの声を水田わさびさんが引き継ぐことになったとき、あちこちで散々イメージが違うことを非難されたものです。著名なアニメ脚本家まで、わさびさんたちを酷評する文章を書いていたりもしました。とても大変なスタートだったはずです。あれから15年以上が経ち、今ではすっかり「わさドラ」が定着しているように見えます。
わたしは相当なレベルの、はっきり言ってしまえばガチのw藤子不二雄ファンなので、当然ながら大山のぶ代さんのドラえもんは好きでしたが、声優さんの当時の年齢などを考えれば、交代はやむを得ないことでしたし、なにより作品自体のファンでもありますから、長く続けるためにも、わさびさんたちにはがんばってほしい思いを持って応援していました。
「声」と「音楽」では話は異なりますが、今後のドラクエシリーズも、ある意味では似たような岐路に直面しているといえるでしょう。ファンは「すぎやま風」を望むかもしれませんが、今後もドラクエシリーズを長く続けていくには、当初は序曲や、すぎやま作品のアレンジ曲などを交えつつも、次第にその引き継がれた作曲家独自のカラーを出していかなければなりません。FFシリーズも植松さんから複数の作曲家に引き継がれて、作品ごとに別の方が担当されているようです。ドラクエシリーズも、そのような形でも良いのではないでしょうか。
さて、それではドラクエ10ではどうでしょうか。
ここは、完全にわたし個人の希望を書きます。
すぎやま先生が遺された500曲以上のドラクエシリーズの楽曲、そのすべてを、オーケストラにこだわらない様々なアレンジを加えつつ、ドラクエ10のゲーム内で使用し続けてほしいです。
ドラクエ10は、シリーズの他の作品とは異なり、これからも(採算があう限り)ずっと続いていくゲームです。前プロデューサーの齊藤陽介さんも言っていたように、ドラクエ好きが集まる遊園地、テーマパークのような存在です。
ドラクエ10をプレイしていれば、すぎやま先生がドラクエシリーズのために書いた音楽すべてに出会える。
アレンジャー、演奏者、指揮者はもちろん必要ですが、
「音楽 すぎやまこういち」
サービスが続く限り、このクレジットがずっと変わることがない。
そんなドラクエが、ひとつくらいあってもいいんじゃないでしょうか。
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