先日、6月25日に配信された「超DQXTV」で、Ver.7.1のアップデート情報が公開されました。今回は「ニコニコ生放送」と、同じシステムを使用している「アストルティア放送局」では、報道されている大規模なサイバー攻撃の影響により配信できず、YouTubeのみでの配信となりました。
まあ、ここは「炎上」みたいなことを心配しなきゃならないほどの、人気ブログじゃございませんがw
新たな課金要素「プレミアムゴールド」
まず、今回導入が発表された「プレミアムゴールド」についてです。
【7.1】DQXショップで購入できる新しい通貨「プレミアムゴールド」を追加します。
『目覚めし冒険者の広場』のDQXショップで事前に購入しておき、好きなときに『ドラゴンクエストX オンライン』ゲーム内で使用できる点が特徴です。… pic.twitter.com/Fl2wPw1lFD— ドラゴンクエストX 公式 (@DQ_X) June 25, 2024
この名称が「超DQXTV」で発表されたとき、ついに公式RMTをやるのかと、つまりリアルの2億円を支払えば、2億ゴールドになって、マイタウンを購入できるのかと、そう誤解した人もいたようですが、さすがにそれをやってしまうと、ぼったくりにも程がありますw
ただ、1円=1ゴールドはやりすぎとしても、20万円くらいで2億ゴールドになる、つまり1円=1000ゴールド程度なら、今の運営ならやりかねないという危惧はありますが…
お気付きの方がいるかわかりませんが、これまでのドラクエ10の「ゲーム内」には、まるで不文律のように「リアル世界のお金=円」の概念が持ち込まれていませんでした。月額料金以外の課金要素はいっぱいありますが、それらは「DQXショップ」「アストルティア入国管理局」「おでかけ超便利ツール」の中で手続きするものに限られていて、ゲーム内で直接使える通貨としては「ゴールド」のみだったのです。
唯一の例外は「DQXショップポイント」でしたが、これはあくまで「ポイント」であり、リアルマネーでチャージするような性質のものではありません。2021年からは「DQXショップ出張販売所」で、ゲーム内でもショップアイテムを購入できるようになっていたものの、それまではポイント配布のみでした。
今回導入が発表された「プレミアムゴールド」は、公式のポストにも書かれているように、ゲーム内で使用できる「通貨」です。あらかじめチャージしてゲーム内で使用するという性質のものです。この発表を見たとき、わたしは「ついに来てしまったか」と感じました。「プレミアムゴールド」という名称であっても、レートが1円=1PGであるなら、それは「円」と全く同じことです。
きわめて個人的な希望であることは承知していますが、ゲーム内にリアルマネーの概念を持ち込まないでほしかったなぁというのが、この発表を受けての率直な感想でした。
この「プレミアムゴールド」を使えるのは、DQXショップのアイテム購入や、次項で取り上げる「クエストスキップ」の利用などだそうで、その程度なのであれば、今まで通り「DQXショップ」や「アストルティア入国管理局」でもよかったのではないかと思うのです。
利用用途は今後も増やす予定だそうですが、仮に「強力な装備の購入」が「プレミアムゴールド」を使ってできるようになったとして、それを購入するのが当たり前みたいな価値観がプレイヤーの間で広まってしまうなら、これまでのドラクエ10とは全く違うゲームになってしまいそうな不安もあります。
ドラクエ10は、スマホなどのいわゆるソシャゲとは違って月額課金制である点が、わたしが長く続けてこられた理由でもあるのですが(このブログでは繰り返し書いていますが、わたしは課金ガチャが大嫌いなのでw)、最近は次第に垣根が低くなりつつあるように感じています。
まあ、わたしの考え方が古いと言われれば、それまでの話なんですけどねw
古いことは自覚しつつ、もう少し続けさせてもらいますが、わたしはゲーム内のことは、ゲーム内での努力だけで報われる、そういうタイプのゲームが好きなのです。月額課金はインフラ維持のために必要ですが、それ以外の、運要素も含む課金によって、ゲーム内で何かが有利になるようなものは、結局、お金を出せる者と出せない者の間に格差が生まれてしまいます。現実の格差がゲームにまで反映してしまうのです。
わたしは、最近でこそ経済的な理由で頻度が減ったものの、DQXショップはよく利用していましたし、超便利ツールのジェムも結構買っていましたが、基本的にはおしゃれ装備、お花の水やりなど、キャラのステータスに直結しないことにばかり使っていました。そういう面での課金まで否定するつもりはありません。なくても、ゲームを進める上では何も困らないからです。
もともとドラクエ10は、課金で有利になるタイプのゲームではなかったからこそ、好きなのです。便利ツールやDQXショップでは、すでにそれに近い課金要素もあるのですが、最近の運営の動きを見ていると、特に今回発表された「プレミアムゴールド」など、どんな課金要素でもゲーム内に出してこられる性質のものですし、そういうゲームに進んで行きそうな気配を感じていて、少し心配になっているのです。
面倒なクエストは課金でスキップ?
ちょうど2年前の話になりますが、「レベル上限解放クエスト多すぎ問題」という記事を書きました。
レベル上限解放クエストがあまりにも増えすぎていて、最近ドラクエ10を始めた人にとっても、サブキャラを育成したい人にとっても、このクエストが足枷になってしまっていることを指摘する内容でした。確かこれが最初に数千アクセスを頂いた記事だと思います。このマイナーブログにとっては大事件でしたがw
この記事の中で、「レベル上限解放クエスト自体の削除」「みなしクリア可能に」「同アカウントの別キャラがクリア済みなら、みなしクリア可能に」という3パターンで、この「多すぎ問題」を解決する方法を提示してみたのですが、この記事を書いた当時も「課金でクリア可能に」というパターンも思い付きはしたものの、さすがにそれはないだろうと思って、記事には書かなかったのです。
その「さすがにないだろう」が、このたび実現の運びとなりましたw
【7.1】有料サービス『クエストスキップ』を開始します。
プレミアムゴールドを使用して、一度もクリアしたことがないクエストをクリアした扱いにできます。… pic.twitter.com/SgCiBexVJl— ドラゴンクエストX 公式 (@DQ_X) June 25, 2024
まあ……わかりはしますよw
ドラクエ10のクエスト数の多さは、まさに「クエストガイド」を書き続けているわたしは、イヤというほど実感しています。中にはクリアが面倒だけど、やっておかなければならないクエストも多くあります。レベル上限解放もですが、そうびぶくろ、どうぐかばん、多キャラでやっているとかなり大変です。
だけど、やっぱりそこも課金でやっちゃうのかぁ……とは思ってしまいました。
複垢でプレイしている人であれば、サブキャラのクエストを課金で一気に片付けてしまうというのもアリなのかもしれません。2024年6月現在、レベル上限解放クエストは24話もあるので、3,600円で、生まれたてのサブキャラの解放クエストを一気に終わらせられるのは、メリットなのでしょう。
わたしも総勢18キャラを育てているので、大変さはじゅうぶん理解しているつもりです。ただ、それでも、課金でクエストを終わらせたいか?と問われれば、そんなことするくらいなら別に育てなくていいかな、と思ってしまう、それがわたしの価値観です。
サブキャラをたくさん育てている方は、そもそもドラクエ10との付き合いも長く、このゲームを知り尽くしている方も多いでしょうし、サブキャラにクエストスキップを利用するのも良いとは思うのですが、比較的プレイ歴が浅く、これまでガチャ課金のソシャゲを多く遊んできた人なら、クエストスキップもわりと気軽に利用するでしょうけど、そういう人ほど飽きるのも早く、あっさり引退しそうです。
運営的に、あえて悪い言い方をすれば「金づる」になるのは後者なんでしょうかね。わたしを含めた古株が基礎的な部分では課金を継続してくれるので、それを保険として、新規勢にはサクッとクエストを飛ばせる点をアピールして、どんどんゲームを始めてもらって、どんどん課金して、どんどん辞めていけば良いとw
運営がそこまで極端な考えでやっているのかはわかりませんが、この「クエストスキップ」について考え始めると、「ゲームって何だろう?」という根本的な疑問にたどり着くんですよね。ゲームをするためにお金を払っているのに、わざわざお金を払ってそれをすっ飛ばすわけですから…。
ファミコン時代にタイムスリップして、当時の子どもたちに「未来のドラクエでは、お金を払ってゲームを買って、毎月お金を払ってゲームをして、さらにお金を払えばやりたくないゲームを飛ばせるんだよ!」と説明すれば、かなり怪訝な顔で見られるような気がしますw
もちろん、ファミコンしかなかった時代でオンラインゲームのことを話しても、理解できないのは当然ですが、それでもこれって、本当に時代の変化の一言で済む問題なんでしょうか…?
利益アップの手段として?
ここ最近のドラクエ10では、課金要素が増えたり、それまでと比べて異様に高額なアイテムを販売したりしています。たとえばVer.6では「スライムと冒険セット」という限定パッケージが出ましたが、13,200円でした。それが Ver.7では「思い出宝箱セット」が19,000円、ヘッドホン付きが46,280円と、円安と物価高で生活が苦しくなっている時期に、あまりにも思い切った価格すぎて、個人的には購入を検討する気にもなれませんでしたw
そういう状況を見ると、ドラクエ10の運営状況が良くない、つまりプレイヤーの減少などで、採算的にサービスの継続が厳しくなってきているのではないかと心配する声も出てきますが、わたしはその点についてはさほど心配していません。もし本当に火の車のような経営状況であれば、超DQXTVの司会やゲストに芸能人を呼ぶことなんて到底できないでしょうし、あれほどの豪華声優さんを起用することもできないはずです。本当にコストを抑える必要があるなら、そういうところから削りますよね。
それに本当にプレイヤー数が減少しているなら、40もあるサーバーを真っ先に減らすでしょう。サーバーというのは、多ければ多いほど維持コストがかさむからです。サーバーを減らしていないということは、その維持コストに問題が生じていないことを意味します。
それでは、どうしてこれほどあからさまにまで、課金要素を増やそうとしているかですが、おそらくスクエニ上層部から利益アップの要求が厳しいからではないでしょうか。スクエニが221億円の特別損失を出した件については、先日も記事にしました。(「特損221億円とドラクエ12開発の行方」)
スクエニにこれほどの大きな損失をもたらしたのは、HDゲーム部門のようなので、FF14を含むMMO部門では、おそらく単体で見れば問題はないのでしょう。新パッケージの発売有無などによって、年度によって売上にばらつきはありますが、利益という意味ではコンスタントに出せているように見えます。少なくとも採算割れするような事業ではないでしょう。
仮に、スクエニ本体の赤字を補填するために、その利幅を上げろと言われれば…。たとえばそれまで諸経費を差し引いた純粋な利益が、仮に1億だったとして、それを2億、3億、なんなら10億にしろと言われれば、結局コストを最小限にして、それでいて利幅の大きいことをするしかありませんよね。
購入された方には申し訳ないのですが、Ver.7の「思い出宝箱セット」に、さほど製造コストがかかりそうなものが見当たりません。インゲームアイテムなんて実質タダです。それを19,000円で売ったわけです。
そして今回の「クエストスキップ」ですが、ゲーム内でこの仕組みを実装する部分についての制作コストはかかったでしょう。だけど実質的にやることは「プレミアムゴールドを受領すれば、対象のクエストにクリア済みのフラグを立てて報酬を渡す」だけです。つまり継続的なコストはゼロです。うまいこと考えたものですw
青山プロデューサーもサラリーマンですから、会社の上層部に指示されれば、従うしかありません。その結果が、今回発表された「プレミアムゴールド」なのではないか?と、わたしは思っています。
言うまでもなく、ここはわたしの憶測交じりの話なので、本当にスクエニ上層部がそういう指示をしたのかどうかはわかりませんが、直近の決算を見てもありそうな話ではないでしょうか。
おわりに
わたしは基本的に、ドラクエ10の運営さんを応援するスタンスではいますが、無批判に全部受け入れるというわけでもありません。わたしはドラクエ10のストーリーが好きだから、長く繰り返し遊んでいるので、それをまるごとスキップしてしまう機能が実装される点については、少々複雑な思いもあります。
ただ、色々と書いてはきましたが、それがプレイヤーの求めるものならしょうがないのかな、という思いもあります。「クエストスキップ」も、運営さんが突然思いついたわけでもなく、「クエストを飛ばしたい」という声が多く上がっていた、その結果として出してきたものなのでしょうから、そう思っていた方にはどんどんご利用頂いて、利益アップに貢献して頂ければと思っていますし、それで良いのではないでしょうか。
わたし自身は「プレミアムゴールド」を購入することは、現在までに発表されている内容を見る限りありませんし、「クエストスキップ」を利用することもありません。クエストを楽しんでいる結果として出したものが「クエストガイド」ですから、たとえ他のプレイヤーさんが「クエストスキップ」で、クエストをがんがんすっ飛ばすようになったとしても、わたしは全クエストを網羅するまで続けていくつもりです。
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