先月10/24、ついにドラクエ10の新バージョン「いばらの巫女と滅びの神」が発売されました。
わたし・ルナクルはといえば、発売前にドラクエ11Sもドラクエ10のバージョン4もクリアしておく!…という目標は見事に崩壊いたしまして、ただいま4.2の世界、過去のオーグリード大陸を冒険しているところです。11Sの方は勇者のつるぎを入手したところで止まってますw
一方その頃あかり姉は魔族になっていましたw
そして既に5.0の冒険もクリア済みです。
そのあかり姉ですが、先日「どわこ☆くらぶ」という新サイトを立ち上げまして、このブログにも下の方にこっそりバナーを貼ったりしていたのですが、たぶん誰も気づいていないことでしょうw
内容としては、この「Lunacle Web」も、攻略や情報としてあまり役に立つことは書いていないのですが、「どわこ☆くらぶ」は、さらに輪をかけてその傾向が強いです。追求しているのは唯一「どわこちゃんのかわいさ」のみ。どわこちゃん好きの方からはご好評をいただいています。興味のある方はぜひ←
それでは、例によって長い前置きはこのへんにしまして、本題「バージョン5からはじめる」機能について。長文にご注意くださいw
「バージョン5からはじめる」機能とは?
書いて字のごとく、ドラクエ10の冒険をVer.5からスタートするという機能です。Ver.4までの冒険は「クリアしたこと」になっていて、いきなり魔界の冒険を始めることができます。追加費用などはかかりませんが、新規さんがこれを適用するには、Ver.1~Ver.4まで入ったオールインワンパッケージなどに加えて、別途Ver.5も買わなきゃいけないのに、なんとVer.4までの面白い部分をまるごと飛ばせる機能です。
ところが、プレイヤーキャラクターはLv1です。スライムと同格の弱さで、冥王を倒し、大魔王を倒し、竜族を救い、滅びの未来から世界を救った、ことになっています。もうなんというか、世界観ぶち壊しですw
ただ、世界を見れば、MMOでこういう機能はわりと普通になっているようで、2年前にはFF14でも同様の機能が実装されました。ただし、そちらでは有料オプションとなっていて、蒼天(Ver.3)から、紅蓮(Ver.4)から、漆黒(Ver.5)からの3種類より選ぶことができ、それぞれ1,210~2,750円かかります。
FF14の場合、希望するジョブのみ、レベルを70まで一気にブーストするオプションも同時に発売されましたが、それは別に2,750円かかります。
こちらはドラクエ10とは異なり、日本だけでなく世界にも相当な数のプレイヤーがいるので、ある程度は「世界標準」にあわせる必要もあったとは思います。
それに対してドラクエ10は、唯一の海外展開(ただし運営やサーバーは日本と完全に別)であった中国版もサービス終了してしまい、今では完全に日本国内向けです。どうせなら「よそはよそ、うちはうち」で、ガラパゴスを貫けばいいものを、非常に中途半端な形で実装してしまったのが、今回の「バージョン5からはじめる」機能だと、わたしは思っています。
誰に向けた機能?
この機能の実装が発表された際、わたしの頭に真っ先に浮かんだ疑問は、これがどういう層をターゲットにした機能なの?ということでした。
まず前提として、ドラクエ10は、ストーリー性が非常に重視されているゲームだと、わたしは思っています。確かにバトルが好きでドラクエ10を遊んでいる人も大勢います。バトルは好きだけどストーリーはかったるいと言いながら進めている人もいますw
それでも、どのプレイヤーも、故郷の村が滅ぼされ、各種族の姿を借り、勇者と出会い…といった一連の流れを共通して経験してきて、それを踏まえた上で魔界への冒険をスタートするのです。それは2012年に始めたプレイヤーも、2019年に始めたプレイヤーも、全く同じことです。
となると、全くの新規で、何の予備知識もなく、まっさらな状態でドラクエ10を始めた人が、「最新のバージョンから遊べるんだ~」という説明だけを見て、この「バージョン5からはじめる」を選んでしまうと、「Lv1で世界を救った勇者の盟友」という意味不明な状態で、いきなりアストルティアに放り出されてしまうのです。
ちなみに今年の春~夏くらいにドラクエ10の冒険を始めて、10/24の発売と同時に魔界へ旅立ったというプレイヤーは、あかり姉のチームやツイッターのフォロワーさんなど、知っているだけでもそれなりにいます。「追いつくのが大変」というのが実装理由としても、がんばれば追いつくのはそこまで大変ではないし、無理に追いつく必要もないのがドラクエ10です。
追いつきたいという理由が、フレンドさんと一緒に遊びたいからだとすれば、親切なフレンドさんならストーリーでも手伝ってくれるし、熟練のプレイヤーならメタキンコインも余っているから、レベル上げもフォローしてもらえます。フレンドも作らず完全にソロで遊びたいなら少し大変ですが、その場合は追いつく理由もないですから、それこそマイペースで進めればいいということになります。
7年以上続いているゲームだからって、最新ストーリーに追いつくまでに、7年以上かかるわけがないのです。強いフレンドのお手伝いや、サポート仲間を借りられる境遇にあれば、サブクエなどは最低限にとどめて、純粋にメインストーリーを最新まで追いつくだけなら、1日2~3時間の比較的のんびりプレイでも、せいぜい3~4ヶ月ほどあれば追いつけるでしょう。
そのあたりを考えると、「バージョン5からはじめる」というのは、新規プレイヤーにとっては全くの混乱をもたらすだけの存在であり、新規プレイヤーを増やしたいと考えるのであれば、より一層なんでこんなの実装したの?という疑問しかありません。
ただし、ドラクエ10では「冒険の書」(セーブデータ)を1アカウントあたり、契約コースに応じて3~5まで作れるので、サブキャラを育成している人は結構たくさんいます。また、そこから発展して複数アカウントを持っているプレイヤー(複垢)も少なくはありません。わたしもそうです。
サブキャラの育成にもいろんな理由や目的がありますが、純粋に冒険を最初から改めて楽しみたいという人もいますけれども、実際その多くは「金策」であったり「倉庫」であったりもします。いわゆるキラキラマラソンをするにしても、4垢であれば単純に4倍の素材を入手できるわけですから、金策効率は高いのです。もちろんリアルマネー(月額料金)も4倍かかりますけれども…w
そういうことからも、「バージョン5からはじめる」機能を利用するとすれば、次のようなプレイヤーに限られるだろうなと考えていました。主に新マップ(魔界)でのキラキラマラソンなどを通じての金策を想定していました。
- 金策用サブキャラを作りたい人
- 金策用にサブ垢を作りたい人
- RMT業者
あとは、自分の選んだ種族に不満があるけれども、また最初からストーリーをやり直す気にはなれないというプレイヤーにも、最初からやり直す手間は省かれる意味では多少は受け入れられるかなと。(レベル上げ直し、アクセ作り直しがネックですが)
ところが実際に蓋を開けてみれば、とんでもない金策方法を思いついた人たちが現れたのです。
※以下で挙げる金策方法は、11/5の時点では出来なくなっています。
巻き起こった「キャラデリ金策」の波紋
Ver.3.4後期で実装された「バトル・ルネッサンス」というコンテンツがあります。これは過去登場したボス敵と再戦できるというもので、勝利しても経験値やゴールドはもらえません。しかしながら勝利すると、選択した難易度に応じて「死闘のグロリア」というものがもらえます。これはスキルブックや、店売りで10万ゴールドに相当する黄金の花びらなどの重要アイテムと交換することができるため、スキルブックによるキャラ強化はもちろん、ある程度がんばれば金策にもつながるわけです。
これはver.3.0クリアが受注条件ですので、サブキャラを使って黄金の花びらをゲットしようと思っても、そこまでストーリーを進める必要がありますし、死闘のグロリアをもらえるのも、その難易度で初回にクリアした場合のみ(「超強い」で勝利すれば下位の「弱い」などもすべてクリア扱い)です。そのため、サブキャラを使った金策効率として、そこまで高いわけではありませんでした。
それが「バージョン5からはじめる」機能の実装により、状況が一変しました。
Ver.5以降に新しく作ったサブキャラは、ストーリーをすっ飛ばすことができるので、Ver.3.0も当然ながらクリア済みの扱いとなり、クエストクリアに必要なしぐさ「ねる」さえメインキャラが用意できれば、ゲーム開始と同時にバトル・ルネッサンスをプレイする条件が整うことになります。一部の金策プレイヤーはそこに目をつけました。
ドラクエ10の冒険の書には削除制限がかかっていて、1アカウントあたり月に5回を超えて削除することができません。これは逆に考えれば「5回までなら削除できる」ということです。メインキャラなどの冒険の書のみを残して、残りの冒険の書を毎月5回まで消して作り直すことで、最大400万ゴールド×5が、毎月短時間の作業で手に入ることになります。
このことの何が問題かというと、ここで得られる「黄金の花びら」の売却益は、バザーなどプレイヤー間での取引ではなく、店売り、つまりシステムから産み出されるゴールドということです。1アカウントあたり2000万、100アカウントなら20億、1万アカウントなら2000億というゴールドが毎月増えていくゲーム世界、これが何を意味するか…とんでもないインフレに直結します。
ただでさえアストルティア経済はインフレ傾向なのに、それに拍車をかけるようなこうした行為が流行してしまうと、それをしないとこの世界で生きていけない程の物価になってしまい、ますますこの方法に手を染める人が増え、結果ゲーム内の経済が崩壊してしまう=ゲームそのものの寿命が縮むことになりかねないのです。
それに加えて、今までゲーム内でコツコツと金策をしてきた通常のプレイヤーにとって、キャラを消して作り直すという、いわば外部から手を加えることで、かなりの短時間でこれほどのゴールドを稼げてしまうという金策が発見されたことは、大きなモチベーションの低下にもつながるのです。
そして、こういうシステムの穴を突くようなことにかけては、さらにずる賢いことを思いつく人がいるもので、それが3DS版を使ったアカウント無限増殖とでもいうべき方法です。
3DS版は、そのアカウントで初回の利用に限り、3時間の無料時間がついています。これを利用して、何度もアカウントを作っては消しを繰り返し、実質無料で多額のゴールドを得るという金策が一部で話題となりました。
これらの金策方法は、「システムの穴を突いた」とはいえ、バグの利用や解析といった手段を用いたわけでもなく、通常のプレイでやろうと思えば出来てしまうのです。つまりこの金策を「規約違反」として取り締まったり、ペナルティを課すことが、はたして可能なのかという問題があります。バグの不正利用であれば一発アウトですが(場合によっては刑事告訴された例もあります)、そうではない点に今回の根深い問題があります。処分がなければ「やったもの勝ち」になり、正直にコツコツと金策していたプレイヤーの反発も免れないでしょう。
こういうことが可能な状態で、何ら対策を行うこともなく「バージョン5からはじめる」機能を実装してしまった運営に、今回の件ではかなり大きな非があるといえます。
この問題を受け、青山プロデューサー名で10/31に「おしらせ」が掲載されました。
この文章に「現状は仕様」「引き続き状況を注視」という文言があったことが、さらに大きなプレイヤーの反発を招いてしまいました。
この金策を運営が「仕様」として認めるのか、自分もやっていいのか、これに制限がかけられた場合、すでに実行したプレイヤーにペナルティはないのか、「やったもの勝ち」なのか…etc
こうした声が多く寄せられたのか、また「注視」の結果として、想定以上のゴールドが産み出されることに危機感を抱いたのか、翌日11/1には「バトル・ルネッサンスの機能を抑制」という暫定措置がとられることになりました。
この運営による一連の対応に大きな憤りを感じた結果、ついにドラクエ10からの引退を表明してしまった、大規模ドレスアップイベントの主催さんなどもいます。こういうプレイベを積極的に開催するプレイヤーさんが、アストルティア全体を盛り上げてくれていることは事実ですし、事態は非常に深刻といえます。
どういう機能ならよかったのか
ここまで今回の問題について、一連の流れをざっと説明してきましたが、わたし自身は、現状の「バージョン5からはじめる」機能は「大失敗だった」と考えています。
まず、こうした機能を実装する場合、真っ先に業者に悪用されることを心配しなければなりません。RMT業者というのは、ゴールドをリアルマネーで販売する商売です。彼らにとってみれば、リアルマネーの必要経費をできる限り抑えて、短時間で多額のゴールドを稼ぎ出す金策が、最も経済効率がいいわけで、そうすると3DS版で行う方法は、まるで彼らのためにあるとすらいえる金策方法ではないでしょうか。
バトル・ルネッサンスで多額のゴールド(花びら)を得られる以上、たとえば「バージョン5からはじめる」を使って冒険を始めたキャラクタ-に限定して、「全職業のレベルが90以上でなければ挑戦できない」など、通常のプレイに比べて簡単には進められない要素を入れておけば良かったと思います。
バトル・ルネッサンスはストーリーを進める上では必須でないので、ストーリースキップしたキャラクターに限定するなら問題ないと考えます。この制限があれば、少なくとも冒険開始から5分でバトル・ルネッサンスをプレイするのは不可能となり、通常のキャラデリ金策に加え、3DS版の悪用なども防げたはずです。
また、運営の方針として「課金要素を増やしている」と発表しておきながら、「バージョン5からはじめる」機能を無料にしてしまったのも、いただけません。前述のとおり、全く新規さんのためにならない機能ですし、こうしたRMT業者が喜ぶような形のストーリースキップを導入するくらいであれば、まだ復帰プレイヤーに的を絞った有料オプションとして実装した方が理解できたと思うのです。
FF14と同様に、たとえば「バージョン2からはじめる」「バージョン3からはじめる」「バージョン4からはじめる」というオプションも用意しつつ、それぞれに3,000円くらいの料金を設定して良かったと思っています。
これなら、たとえばVer.3の途中で引退(キャラ削除)してしまったけど、もう一度プレイしたいが遊んだことのあるVer.2までは飛ばしたい、というような復帰プレイヤーの需要も満たせるでしょうし、前述のようなRMT業者が別料金を支払ってまでストーリースキップを利用するとも考えにくいです。
また、ストーリースキップを有料とするなら、希望の1職のみそのバージョンがリリースされた時点での最高レベルまで上げるような機能もあって良かったでしょう。Ver.2からなら80、Ver.3からなら90、といった感じですね。そして100万ゴールド程度なら持たせてあげてもいいでしょう。誰でも手軽に始められるなら、ゴールドなど持たせてはいけませんが、お金を払ってでもというプレイヤーならその程度なら許されるでしょう。ゴールドでなく装備(ただし☆なし)や消費アイテムでもいいかもしれませんね。
「罵倒」ではなく「意見」「提案」を
というわけで、今回はVer.5で実装された「バージョン5からはじめる」機能、とくにそれによって生じた特殊な金策方法の問題点と、どういう機能であればよかったか、わたしなりの意見を書いてみました。
そして、この問題が発覚して以降、やはりツイッターや提案広場は大荒れの状態になりました。
運営さんに対して「怒り」の感情を覚えるのは、致し方のないことですし、理解できます。しかしながら、その「怒り」の感情をストレートに運営さんにぶつけているのを見ることも多く、それはしばしば「罵倒」になっています。
運営さんだって人間ですので、判断を誤ることは当然あります。
わたしも今回の記事では「大失敗」だと、この機能の実装について批判的に書いてきました。しかしながら心がけたこともあります。それは「冷静に」、落ち着いて書くことでした。
そして、現状に問題があるなら、それを解決できる対案を出しながら書くことにしました。わたしの「ストーリースキップは有料でよかった」という意見が、多くの人に受け入れられるものかどうかどうかはわかりません。だけど「それならどうすればいいか」を書かず、闇雲に批判だけするなら誰でもできます。まさに日本の野党がダメなところはそこです←
アストルティアをより(ゲームとして)良い世界にしていきたいのは、このゲームを楽しんでいるどのプレイヤーにとっても共通の気持ちでしょう。全く同じ内容の提案であっても、同じ人間である運営さんが読んで、カチンとくるような書き方と、冷静で説得力のある書き方であれば、わたしなら後者の方に耳を傾けたくなります。
まあ、そんなことを書いてる聖人君子のようなわたしですが、(あかり姉が)Ver.5のストーリーを始めて、ムービーで何度もフリーズしたときには、やや怒り交じりの不具合報告を書いちゃいましたけどねっ!w
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