亡霊ヴィゴレー
Ver.6.1で初登場したと思われているヴィゴレーですが、実はその亡霊が、ジュレイダ連塔遺跡にVer.3.0の頃から存在していたのはご存知でしょうか?
ちょっと今回、Ver.6.1のストーリーをプレイする前のヴィゴレーが、亡霊として何を語っているのか確認するために、まだ氷の領界あたりをくすぶっているスピカちゃんに行ってもらいました。
スピカちゃんのストーリー進行状態では、彼が話すことはこれだけでした。「DQ10大辞典」の記述によれば、「もはやあの女を手にかけた我が悪名さえも歴史の彼方に消え去ったことだろう……。」というセリフも存在したようなのですが、少なくとも今回スピカちゃんに取材に行ってもらったときには、そういうセリフはありませんでした。どこかのタイミングで元のセリフが削除されたのか(ネタバレになりますからね)、何かしらのフラグで変化するのかは、わかりません。
Ver.3.0というのは発売が2015年4月なので、今から7年も前に「ある女性を殺した罪人の亡霊がジュレイダ連塔遺跡に存在する」という伏線が張られていて、それが今回のストーリーで突如回収されたわけです。言うまでもなく、わたし自身はこんな亡霊の存在を完全に忘れていましたが、Ver.6.1の情報公開でヴィゴレーの姿を見て、すぐにピン!ときた人もいるようです。さすがですw
この遺跡には5人の亡霊がいますが、今回の事件にかかわる内容を話している人もいました。
この亡霊の「主」とはヴィゴレーのことですが、「いわれなき罪」と言っています。ヴィゴレーがリナーシェを殺害したのは冤罪だとでもいうのでしょうか。わたしはさっき殺害現場を見てきたんですがw
ただ、ちょっとここで気を付けなければならないのは、わたしたちがムービーで観た光景は、あくまで「リナーシェの記憶」であり、わたしたち主人公がその時代へ行って実際に見てきた光景、あるいは第三者が撮影した映像ではない、という点です。
とはいえ、どういうメカニズムなのか全くわかりませんし、あの光景が事実に基づかないリナーシェの作った架空のものだとすれば、様々な前提が崩壊してしまうので、やっぱりあれは「史実を見た」のだと考えるべきなのでしょうけどw
今回の事件に関連のあるNPCのセリフは以上でした。ちなみに、スピカちゃんの職業はたまたま僧侶で、サポート仲間も借りず、ヤリなど僧侶が装備できる武器も持たない状態でしたが、ジュレイダ連塔遺跡って、敵にぶつかったり追いかけられたりしたとき、逃げることができない場所なんですよねw
その状態でベルフェゴルに襲撃されたらどうなるか、僧侶の孤軍奮闘を映像でご覧ください(2分ほどですw)←
はい、閑話休題w
このヴィゴレーの亡霊ですが、Ver.6.1のストーリーをクリア後に紹介されるクエストNo.706「宝の価値」で、一連の事件を知った状態で彼に会いに行くことになります。このクエストは、Ver.1から何度か登場してきた小悪党キャスランの物語でもあるのですが、そのあたりは全て割愛しまして、ヴィゴレーに関わる部分のみ書いていきます。ただでさえ1万字を超えていますのでww
キャスランに「古びた指輪」を盗まれ、すっかり気落ちしてしまったヴィゴレーの亡霊ですが、わたしたち主人公がそれを取り戻し、ヴィゴレーに返すと、次の言葉を聞くことができます。わたしたちは、リナーシェの記憶を通じてヴィゴレーのことを知っていますが、生前に面識はないので、彼はわたしのことを当然知りません。
いやヴィゴレーさん饒舌すぎるでしょw
こんな縦長画像を作ることになるとは←
まあ、数百年もこんな地下遺跡で地縛霊のようになっていて、取り巻きの部下たち(の亡霊)はいるものの、こんな話を聞いてくれる人など現れるはずもなく、そこになぜか姿を見ることができて、しかも指輪を取り戻してくれた、よくわからない冒険者の少女がやってきたから、何か語りたくなったのかもしれませんねw
そして語られた内容は、11歳のわたしには難しすぎました←
難しいながらも、こうではないかな?と感じたことを書いてみますと、やっぱりヴィゴレーのリナーシェに対する愛はあったのでしょう。リナーシェの笑顔を「どんな花より 宝石よりも美しく。」と、彼がそう感じたのは紛れもない事実です。
ところが、その笑顔が「ただの交渉道具だった」と思い込んでしまったんですね。リナーシェにとって笑顔も交渉道具ではあったことは否定できませんが、「私の弟は すぐに 骨抜きにされた。」というくだりは、かなり強い思い込みのように思えます。
事件が発覚後、アリアから突き返されたという指輪は、生前は常時そばに置き、亡くなった後は棺に入れるよう遺言までしています。例の、何ヶ月も探したという希少な石が埋め込まれた指輪なのでしょう。
「これだけは 誰にも渡したくない。」
これは第三者が理解するのが非常に難しい感情なのかもしれません。
普通の感覚でいえば、「彼女を愛していたのなら殺すはずがない」のですが、古今東西の様々な事件の概要を見ていると、必ずしもそうとは言い切れないんですよね。
「好きでたまらないから殺す」というような事件も、ストーカーによる殺人など、実際に数多くあります。別れ話のもつれで殺人事件が起きることもあります。別れ話がもつれるということは、どちらかは別れたくないわけですよね。なぜ別れたくないかというと、好きだからですよね。別れたい側が殺すのなら、まだ犯罪心理としてわからなくもありませんが、実際には別れたくない側が殺してしまった事件もわりと起きていますよね。
ヴィゴレーは、リナーシェをひとり占めしたかった(独占欲)。
しかし、その笑顔は別の人間にも向けられ、とりわけ弟カルーモへ向けられた笑顔は許しがたいものだった(嫉妬心)。
リナーシェは強大なチカラをもっている。このままでは、相思相愛である(と思い込んでいる)カルーモと協力して、自分を排除する動きに出るのではないか(猜疑心)
それなら、そうなる前に殺すしかない。
こういうシナリオを思い描き、行動に出てしまったというところなのでしょうか。
これはあくまでわたしの解釈であって、全く別の解釈をされる方も多いと思います。わたしはカルーモを善人だという前提で語っていますが、一連の事件はカルーモの陰謀だったという解釈も成り立ちます。確かに、この事件を経て、ヴェリナード初代国王という地位を得た、つまり最も得をしたのはカルーモであることもまた事実です。
ジュレイダ連塔遺跡に存在する、生前ヴィゴレーの部下だった亡霊たちの中には、本当にそのように解釈している人もいます。
この人って少しベルトロさんに似ている気もしますがw
わたしたちは、リナーシェの記憶を通じて、ヴィゴレーが実際にリナーシェを殺害するシーンを見ていますから、これもヴィゴレーがリナーシェを殺害するようにカルーモが仕向けたのだとすれば、カルーモは、目的のためならリナーシェの命を奪うことも厭わない策士、ということになります。ちょっと信じがたい陰謀論のように思えます。
そしてリナーシェをあからさまに悪く言う亡霊もいます。
彼女の主張は、ヴィゴレーがリナーシェを殺す際に言っていた内容に近いですね。
続いて、指輪を盗んだキャスランに激怒して呪いをかけ、わたしたちと一戦交えた亡霊たちの話です。
彼らは、ヴィゴレーの罪を、実はわかってはいるのです。
その上で、「強く賢く 頼もしい 理想の王」であったヴィゴレーを慕い続け、死してなお忠誠を誓い続けているのです。
そして、書物庫にいる女性の話です。
このように、生前のヴィゴレーには、彼の犯罪を知ってなお慕い続け、最後まで行動を共にした人たちがいます。中でも書物庫の女性の話を聞くと、とても優しい心をもった王のようにすら思えます。
リナーシェを殺害するシーンを見ると、ヴィゴレーは悪人そのものです。悪人顔でもありますしw
しかし、このジュレイダ連塔遺跡で亡霊たちの話を聞くと、民からは良き王として慕われていて、さすがに犯罪が露見してからは離れていく人も多かったとはいえ、それでも最後まで彼の傍に居続けた人もいたことも、また事実なのです。
最後にヴィゴレーの父、すなわちヴィゴレーが押しのけて自らが王となった、その前王の話です。
ヴィゴレーの取った行動は、決して許されるものではないでしょう。しかし、どこかで道を踏み外すことさえなければ、名君となれる可能性もありました。
彼自身が言うように、この先リナーシェと再会することは叶わないでしょう。
リナーシェは、最愛の妹アリアがカルーモと結婚し、ヴェリナードの初代国王夫妻となったことを知りました。同時にヴェリナードが「ヴィゴレーの国」ではないことも、今では知っています。この先、ヴィゴレーの亡霊と会うようなことがあれば、そして「後悔に囚われている」と話すヴィゴレーからの謝罪を受ければ、あるいは彼を赦すというような展開もあり得るのかもしれません。とはいえ、あの最期に味わわせられた絶望と、この男に父王も殺されているという事実を考えると、そう簡単にはいかないだろうな…という気もします。
そしてヴィゴレーは、今日もジュレイダ連塔遺跡の墓場で、自らの犯した罪と向き合い続けているのです……
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