Ver.4期間の大型アップデート
Ver.2.4後期からVer.3発売までは2ヶ月弱しかなく、ボリュームを縮小せざるを得なかったVer.3.0の内容について、スカスカだというような批判を受けたことへの反省もあったのでしょうか。Ver.3が完結してからVer.4の発売まで134日と、たっぷり4ヶ月以上の時間をとっています。さらにVer.4が発売される前に、ドラクエ11も無事に発売されていて、慢性的なスタッフ不足に陥る心配もなくなりました。
それらが功を奏したのか、Ver.4.0で追加されたメインストーリーは十分なボリュームもあり、これまで断片的に語られていた過去の物語を、実際に自分の目で確かめていく壮大な歴史ロマンとなっていて、多くのプレイヤーには最初から満足度の高い作品となったようです。
Ver.4以降、りっきーの後任となったディレクターが安西崇さんで、現在も引き続きVer.6の開発の指揮をとられています。安西さんも、Ver.1時代までバトルプランナーチーフ、Ver.2~3ではチーフプランナーを担当されていて、開発初期からドラクエ10を知り尽くしている人物です。ドラクエ10に「ジャンプ」を実装する必要性を強く主張した人でもあります。
安西さんは、ディレクターに就任する直前(実際は既にVer.4の制作に入っていますが)の「開発・運営だより -第38号-」で、「新バージョンからの開発・運営方針」というものを発表しました。
新バージョンからの開発・運営方針
- 「おはなし」に力を入れ 世界観を深めます。
- マルチプレイコンテンツを強化します。
- 既存コンテンツも盛り上げていきます。
- キャラクターのおしゃれを促進します。
- 情報発信がんばります。
これはいわば、マニフェストのような、施政方針演説のような、五箇条の御誓文のような←
プレイヤーに対する公約といいますか、Ver.4以降はこのように運営していきます、という方針を、新ディレクターが明示したわけです。それぞれの項目の詳しい内容は「開発・運営だより -第38号-」をお読みください。
この中でアップデート間隔について、Ver.3では前・後期制をとっていたために、メインストーリーの追加が約20週おきとなってしまっていたので、Ver.4からは前・後期制をやめて、約13週おきにアップデートを行うという方針が発表されていました。それでは、実際のアップデート間隔を見てみましょう。
Ver.4期間は、12~15週でアップデートが行われていて、これは概ね安西さんの公約通りでした。前・後期制についても最終バージョンのみです。
このアップデート間隔は、Ver.5でも基本的には同様の方針が踏襲されていて、コロナ禍の影響で1ヶ月延期となったVer.5.2を除き、13~15週でアップデートされています。しかしながら、その後のVer.6.1が18週もかかってしまったので、続くVer.6.2も同じくらいかかってしまうのか、Ver.5までのように13~15週に戻せるのか、そこがカギですね。毎回18週かかってしまうと、約20週だったVer.3と変わらなくなりますしw
だけど、ここが難しいところで、それはもちろんストーリーの続きは楽しみなんですが、スケジュールを短縮することを優先した結果、メインストーリーの内容を削り、またスカスカと言われるような状況に陥ると、本末転倒なんですよね。Ver.6.1に関しては、スケジュールを短縮して内容の一部を後ずらしするか、若干アップデート間隔を延ばしてでも全部入れるか、そこを悩まれたのかなとも思っています。結果的には全部入れてくれて大正解でした。
- Ver.4.0
メインストーリー、Lv100解放、天地雷鳴士、白宝箱、エテーネルキューブ、アストルティア防衛軍、バトエン、クエスト追加など、オフラインモード廃止 - Ver.4.1
メインストーリー、いにしえのゼルメア、聖守護者の闘戦記、クエスト追加など - Ver.4.2
メインストーリー、Lv105解放、メレアーデのお部屋、クエスト追加など - Ver.4.3
メインストーリー、遊び人、世界調律クエスト、クエスト追加など、3Dアイコン化 - Ver.4.4
メインストーリー、Lv108解放、バトルトリニティ、クエスト追加など - Ver.4.5前期
メインストーリー、クエスト追加など - Ver.4.5後期
Lv110解放、200スキル(武器)、マイタウン、クエスト追加など
Ver.4では「おはなし」に力を入れるとの方針通り、メインストーリーの追加に主軸を置きつつ、8人バトルやエンドコンテンツも追加し、さらに防衛軍やゼルメアのように、ゴールドの少ないプレイヤーでも最新の武器や防具を入手しやすくする配慮など、アップデート内容は非常に多岐にわたっています。
安西さんはこれらの追加や改修を含めて、わりとソツなくこなしていった印象を受けていますが、ネットの評判などを見ていると、安西さんに対しては、なかなか厳しい評価も目につくのが気になっています。
各ディレクターにはそれぞれ特徴があって、インタビューなどで読む限り、藤澤さんは自分の信念を実現するため、自分が中心となって周りを引っ張るタイプ、りっきーは同じく自分の信念を持ちつつも、周りの意見を聞きながら進めるタイプ、安西さんは制作の陣頭指揮をとりつつも、ある程度スタッフにも任せるタイプかなと、わたしはそのように受け取っています。
ディレクターというのは、映画などでいえば「監督」ですので、その人によっていろんなスタンスがあるのは当然です。
藤澤さんはそもそも作家タイプで、実際にドラクエシリーズのシナリオも手掛けてきたディレクターなので、文章で説明するのが得意でしたから、「開発・運営だより」も積極的に書いていました。りっきーは決して文章が得意というタイプではなさそうでしたが、「開発・運営だより」は独自のスタンスで書いていましたし、DQXTVや提案広場でも積極的に発信されていました。時々悪ノリしたりもしていましたがw
そして安西さんはディレクター就任後、数えるほどしか「開発・運営だより」を書いていません。そして、DQXTVでの発言もあやふやだったり、うっかり間違った説明をしてしまったり、また実際にコインボスと戦う企画でも、決してドラクエ10のプレイが上手には見えませんでした。そういうこともあって、一部では「人狼ばかりしている」「エアプではないのか?」など、散々なことも言われたりしていますw
しかしですね。安西ディレクターになってからのドラクエ10は……もちろんプレイヤーによって、特にエンドコンテンツやバトル系で良くない印象を持たれている方もいるとは思いますが(葉っぱ・しずく問題なども含めて)、全体的に見ればかなり安定した運営を続けている印象をわたしは持っています。元ディレクターが心血を注いで作ったコンテンツでも、これはあまり楽しく遊ばれていないと判断すれば、思い切ってズバッと改修したりもしています。
そして安西さんの右腕のような存在が、彼の後任でチーフプランナーを担当されている小澤直美さんです。DQXTVでは、以前はりっきーが説明していたような内容を、小澤さんが説明することもよくあります。こういうスタイルのディレクターというのもアリなんですよね。
安西さん自身は、ドラクエ10の開発初期からのメンバーでもありますし、ゲームの全体像を十分理解し、把握されていることは間違いないでしょう。その上で、細かい部分は適任者に任せるというスタイルなんだと思います。そして、おそらくエンドコンテンツを自身で積極的にやってみるようなタイプではないのでしょう。
これはよく誤解される点ですが、何も開発者自身が、自分の作っているゲームを上手にプレイできる必要など全くないのです。ただ、一応フォローしておきますと、大勢の人の前で、しかも生放送でゲームをプレイするというのは、いつもの実力を発揮できないほどの緊張を伴います。回復や蘇生が必要な局面でスクルトしてしまったのは、緊張で手元が狂っただけということも考えられます。
わたしは野球というスポーツをあまり知らないくせに、よくたとえに出してしまうのですがw
名監督が必ずしも名選手であったとは限らないし、名選手が必ずしも名監督になるとは限らないと、これはよく言われることですよね。ゲームを上手にプレイできる能力と、ゲームを適切にディレクションできる能力は全く別物です。それはもちろん一致している方が望ましい面もあるでしょうが、そんなFF14の吉田さんみたいな人は、ゲーム業界にもそれほど多くはないでしょうw
ドラクエシリーズの生みの親である堀井雄二さんが、たとえば羅刹王バラシュナIIIをあっさり倒せるほど、とんでもなくゲームの上手な人だとは限りません。それでも「ドラクエ」というシリーズを作り、世に送り出した功績は、ゲームクリエイターとして非常に大きいものです。ディレクターは、他のスタッフがプレイしているのを見て、フィードバックを聞いて、調整すべき点などを適切に判断する。それで十分だと、わたしは考えています。
ちなみに安西さんはプレイヤーとしても、ふつうにドラクエ10を楽しんでいるみたいですよ。彼のプライベートキャラは、ドワ子集会などのプレイヤーイベントにも現れて、白チャットで話したりされています。わたし(あかり姉)も話したことがあります。プレイヤーの生の声を聞いてリサーチもされているのかもしれません。単にガチ勢ではないだけの話ですw
今夜の #ドワ子集会 は8周年記念☆
モフィタンちゃん(DQ10ディレクターの安西さん)も来てくれて、集会スタッフと撮影してたよ☆
表示限界を突破するほどの大盛況☆ pic.twitter.com/KEc7VxJjQ6
— あかり@どわこ☆たまにララ❖ (@dqx_akkarin) September 22, 2020
夜公演観てきたよ☆
BGMはピアノ演奏だったけどwモフィタンちゃんも来場☆#サマxスク #怒輪高 pic.twitter.com/vRCXtH0c0T
— あかり@どわこ☆たまにララ❖ (@dqx_akkarin) July 31, 2021
なぜだか各ディレクター像を語る内容になってしまいましたww
これだから文字数ががんがん多くなるのであった…w
コメント
メチャ長文だったけど安西Dになってからverアップも安定してるのがよく分かりました
私も後発(ver4から)なのでver3まで一気にやった感想は先行組が言うような悪いものじゃ無いと思ってます
アプデの間隔は開発陣の負担考えたら4ヶ月〜5ヶ月置きでいいのかなって感じますね
ブレノスさん、コメントありがとうございます♪
改めて読み返しましたが、すさまじい長文ですねw
アップデート間隔とそのボリュームは、運営さんが理想としてやりたいことと、現実として可能なこととのせめぎ合いなんですよね。じっくり作る方が良いものができるとはいえ、間隔が空きすぎると、プレイヤーは前回の内容を忘れてしまいます。6.1→6.2の16週弱というのが落としどころかもしれませんね。