ドラクエ10プレイヤー界隈では、3月21日に発売される新バージョン「未来への扉とまどろみの少女」の話題でもちきりな昨今ですが、わたしはなぜか「神話篇」について、ずっと解説を書き続けていましたw
2024年現在、ドラクエ10の新規クエストは、原則として大型アップデートのタイミングで追加されます。それとは別に、最近の例でいうと、10周年記念クエスト「天を超えてゆけ」のように、週に1~2回のペースで連続配信される場合があるものの、現在では極めて少なくなっています。
さて、2023年2月からコツコツと記事を作ってきた「ドラクエ10 クエストガイド」は、1年以上かかって、ようやくVer.1期間中に追加されたナンバリング(番号のある)クエスト全256話と、現在でもプレイできる予兆2話を含む「神話篇」全19話の記事を公開することができました。
今回は、Ver.1期間中に、どのような形でクエストが追加されていったのか、時系列に沿って振り返りながら解説していきたいと思います。
Ver.1.0開始時、クエストは63話しかなかった!
クエストガイドの記事を書いていて、ふと気になったことがありました。
このクエストは、いつからあるんだろう…?
Ver.7がリリース直前の現在、期間限定クエスト(「神話篇」など)以外の「ナンバリングクエスト」だけでも「765話」(クエストNo.257は欠番)と、膨大な数が用意されていますが、当然のことながら、最初からそんなに多くのクエストがあったわけではありません。わたしが記事を書く過程で調べたところ、2012年8月2日のサービス開始時点で、ナンバリングクエストはわずか63話しかありませんでした。
当時はレベル上限50、しかもドルボードもバシっ娘もない時代なので、今より移動にも時間がかかり、相対的にバトルの難易度も非常に高かった時代です。
とはいえ、クエストが63話しかなく、しかもそのうち7話は職人解放クエスト、7話は職人のレベル上限解放クエストで、当時はまだギルド移籍許可証もありませんから、7種類の職人をすべてLv10までの範囲内で試してみたと考えても、全プレイヤーキャラクターがクリア可能なクエスト数は、最大でも57話しかなかったのです。当時はまだ、調理職人も実装されていませんでした。
もちろん「魔法の迷宮」も「カジノ」も「コロシアム」もありません。今ある「繰り返し楽しむコンテンツ」は何ひとつありませんし、職業すら基本の6職のみです。メインストーリーとクエストを終わらせて、6職すべてLv50にしてしまえば、せいぜい職人やキラキラ拾いくらいしかやることがなかったのです。
2024年の今なら、2~3日がっつり遊べば終わってしまう量です。2012年当時は、前述した通り移動手段が少なく、レベル上限が低いため、今より時間がかかるし、ボスも強敵だったでしょう。それでも、しっかり遊ぶプレイヤーなら、プレイ無料期間の20日あれば終わってしまう程度のコンテンツ量だったはずです。
ドラクエ10は月額課金型のオンラインゲームです。無料期間だけ遊んで離脱されてしまっては、サービスが全く成り立ちません。このままでは、早い段階でコンテンツ不足に陥ることは明らかでした。
2012年末までにクエスト数は148話(※)に!
サービス開始直後は、開発運営チームも事前に予期できなかったトラブルに見舞われ、メンテナンスが頻繁に行われる不安定な時期でしたが、そのような状況でありながら、早くもサービス開始11日後の8月13日から、配信クエストが週1~2回というハイペースで追加されていきます。それも当初は週に1話なんてペースではなく、3~4日ごとに職業クエストが6話ずつ一気に追加されたりしています。
Ver.1.0期間に追加されたクエストは、各職業クエストの3~5話(計18話)、グレンとガタラの外伝クエスト計10話、あわせて28話ありました。
続いて10月9日、Ver.1.1アップデートで追加されたのは、パラディンとレンジャーの転職クエスト、Lv55解放、そうびぶくろ拡張など、計8話と少なめですが、その後、Ver.1.2アップデートまでの間に、パラディンとレンジャーの職業クエスト、ジュレットとアズランの外伝クエスト、合計20話が配信されました。
そして12月26日、Ver.1.2アップデートの際に、美容院、職人Lv35解放、魔法の迷宮解放、魔法戦士とスーパースターの転職、Lv60解放、特訓モード解放、使い込み度解放、写真クエストなど、26話が一挙に追加され、現在に繋がる各種機能も拡充していきます。
さらに「神話篇」の「予兆クエスト」と呼ばれる3話が追加され、ここで合計148話のクエストが実装されるに至ります。ただし「予兆クエスト」のうち「やさしさのクスリ」はVer.1.2期間で配信終了となったため、2024年現在でもプレイ可能なクエストは合計147話です。
コンテンツもクエストもどんどん増えていく!
2013年も、引き続きクエストは続々と追加されていきます。魔法戦士とスーパースターの職業クエスト、オルフェアとレーンの外伝クエスト、Ver.1.2期間限定ながら「神話篇」の予兆クエスト「終を告げる姫」、合計21話が配信されました。
3月5日にはVer.1.3アップデートが行われ、美容院クエスト、バトルマスターと賢者の転職クエスト、Lv65解放クエストなど、そしてVer.1.3期間限定で「神話篇」の予兆クエストも3話追加されました。
アップデート翌日から3月28日までの間、Wii U版のベータテストが行われ、3月30日に、その後も続くマルチプラットフォームの嚆矢として発売されます。2024年3月20日をもって、約11年にわたって提供されたWii U版はサービス終了となりますが、実に感慨深いものがあります。
Ver.1.3期間中は、バトルマスターと賢者の職業クエスト、ツスクルとランガーオの外伝クエスト、Ver.1.3期間限定で「神話篇」の予兆クエスト3話が配信されました。
Ver.1.2~1.3期間中に配信された「神話篇」の予兆クエストは合計10話ありましたが、そのうち2024年現在もプレイ可能な2話を除き、短期間で配信終了してしまっているので、内容を知りたい場合、YouTubeなどにアップされている、ゲーム配信の映像で観るしかありません。
今は季節イベントを除き、短期間で配信そのものを終了してしまうクエストはありませんが、当時はクエストの配信形態についても、試行錯誤を繰り返していた形跡がうかがえます。もう当時を知る人も少なくなってしまったものの、予兆クエスト「狂える赤き月」に合わせて、アストルティアの月は赤かったのです。
ドルボード実装!「神話篇」本格スタート!
5月16日に公開されたVer.1.4で、ようやくドルボードが実装されます。同時にLv70解放、職人Lv35解放、アグラニ外伝の第1話に加えて、「神話篇」が本格スタートしました。ただ、クエストガイドの解説でも書いたように、このときの「神話篇」クエストは、非常に使い回し感の強いものとなっていて、並行してVer.2の開発を行っていたことを考えると、相当な開発リソース不足だったのではないでしょうか。
Ver.1.4期間中は、アグラニ、プクレット、ガートラントの外伝、追加倉庫解放クエストに、ついに8人バトルが実装されることになる「神話篇」クエストも引き続き追加されています。
この期間の大きなトピックとしては、6月22日にWindows版の発売が発表され、それと同時にベータテストが開始されたことです。ベータテストは8月25日まで中断を挟みつつ続けられたのですが、わたしが初めてドラクエ10の世界に触れたのも、このベータテストでした。
数年前に行われたSwitch版のベータテストなどとは異なり、Windows版のベータテストでは、本番環境とは別の「サーバーA」と「サーバーB」が用意され、そこで実施されました。そのため、ベータテストで作ったキャラを製品版に引き継ぐことはできませんでした。
7月25日にはVer.1.5前期のアップデートが行われ、「神話篇」の続き4話と、Lv75解放、ヘアカラークエスト、カミハルムイ外伝の第1話などが配信されました。
Ver.1.5前期期間中は、カミハルムイとメギストリスの外伝が追加配信されました。
9月12日には、製品版にデータを引き継ぎ可能な、Windows版の「先行体験版」が提供され、ベータテスト参加者を中心に、Windows版のプレイヤーが本格的に増加し始めることになります。わたし(元メインキャラ)もこの日から冒険を本格的に開始しました。
9月26日、Ver.1.5中期アップデートと同時に、Windows版が発売されました。この日に追加されたクエストは、サブクエスト「お料理大好きですわ~♪」、メギストリス外伝の第5話、どうぐかばん拡張、「神話篇」のクライマックスとなる「最後の神話の戦い」の4話のみとなっています。
Ver.1.5中期期間中は、ヴェリナード外伝のみが配信されました。
続くVer.1.5後期アップデートで、ドルワーム外伝の第1話、そうびぶくろ拡張、「神話篇」のエピローグクエスト4話が配信されています。
そして、Ver.1.5後期期間中に、ドルワーム外伝の続きが配信され、12月2日に配信されたクエスト「生きる価値」を最後に、Ver.1時代のクエスト配信は終了となります。
そしてVer.2のスタートへ!
Ver.1.5後期の終了をもって、藤澤仁ディレクターが退任されました。サービス開始当初は、深刻なほどのコンテンツ不足に加えて、「マタメンテ」などと呼ばれたほどサーバートラブルも多く、今から見ればとても不安定なスタートだったようですが、1年半ほどの運営期間を経て安定し、コンテンツもクエストも充実していきました。そしてVer.2から「りっきー」こと齋藤力ディレクターにバトンを引き継ぐことになります。
Ver.1時代に実装されたクエストのリストを見ると、あまりの多さに驚かされます。そして、今では逆にクエストが多すぎて、新規キャラを作った人にとっては「めんどくさい」とも思われがちです。ただ、それはコンテンツ不足をどうにか解消しようと、開発運営スタッフさんが必死で努力した足跡でもあります。
Ver.2以降は、Ver.1時代ほど追加されるクエスト数は多くありません。「神話篇」を除き、765話のクエストがありますが、Ver.1時代の256話を差し引くと509話です。それをVer.2~6の5バージョンで割れば、1バージョンあたり約100話ということになります。
ただ、その100話の中には「ストーリークエスト」として、メインストーリーの一部分を「クエスト形式」にしているものも多く含まれており、それらはリプレイもできませんし、Ver.1時代に実装されたクエストとは、少し意味合いが異なるものになっています。
Ver.1時代の256話+神話篇というのは、異常なほど膨大な数だとおわかりいただけるでしょう。
うちにはキャラが多いため、昔のクエストをするときは、何度もクリアしていることもあってセリフなどは飛ばし気味でしたが、「クエストガイド」を作るにあたっては、各クエストの解説も書く必要があるので、改めてセリフを一言一句じっくりと読みながら進めました。するとやっぱり面白いのです。うっかりスルーしてしまっていたような細かい部分に気がつくこともありました。
「クエストガイド」には順次動画も上げていきますので、「あのクエストどんな内容だっけ?」というような場合などにお役立て頂けるとうれしいです。これからもよろしくお願いいたします。
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